第2回オンライン研究会(2月27日14:00~16:00)ろう教育《考》〜きたくまノート(高橋真里)の視点から〜

ろう教育《考》〜きたくまノート(高橋真里)の視点から〜

なぜ、自分は、国語の授業で、読みたくなかったのに教科書を音読しなければならなかったのか。なぜ、気が付いたら学校生徒全員がグラウンドに出ていて、自分1人だけ校内に取り残されていたのか。高校時代のことを思い出すと、必然と、それ以前の聾学校時代(幼稚部・小学部・中学部)までさかのぼって、付随する思い出が手繰り寄せられてくる

2019年12月、SNS上で、こう綴り始めた「きたくまノート」(https://note.com/truecountry)。北海道の聾学校で幼児教育(幼稚部)と義務教育(小学部、中学部)を受け、一般の高校で聴者の生徒と共に学校生活を送った高橋真里さんは、「・・・それを『許す、許さない』でもなく、過去を『捨てる、捨てない』でもなく、『忘れる、忘れない』でもなく、当時の自分に手紙を書くような気持ちになっているときがある・・・」と言います。

しかし、「きたくまノート」に綴られた内容は、単なる過去のできごとではなく、今に至る、聴覚に障害をもつ幼児、児童、生徒と向き合う教育現場への問いかけでもあります。例えば、『「熱心に」「一生懸命」といった言葉をふりかざす先生と私たちは、どこかかみ合っていなかった』との「きたくまノート」の「見出し」は、その根っこに鋭い問いかけが隠れています。

今回のオンライン研究会は、学校(幼・小・中・高)時代の自身への整理として書き続けている「きたくまノート」筆者の高橋真里さんとの《対談》を通して教育現場が受け取るべきメッセージを考えます。そして、後半は、研究会参加者との質疑応答に加えて、同じ北海道出身(ほぼ同年代)の佐沢静枝さん(NPO法人 しゅわえもんメンバー)がサブゲストとして加わり、教育現場への問いかけと意見交換を行います。